Copilot活用の原則

これを抑えておくとよりMicrosoft Copilot(以下、Copilot)が上手く活用できるという原則 (ポイント)を説明します。

まずは、大原則から見ていきましょう。

Copilot活用の大原則

Copilotですが、「Copilot (旧: Bing Chat)の使用技術」でも説明した通り、高精度の予測を行う仕組みである「大規模言語モデル」を備えていることから、どのような質問でも打ち返せるように思えます。

しかし、実際はそう簡単には活用できません。

基本的には、質の低い指示を行うと質の低い回答しか返ってこないという原則があります。この原則のことを「Garbage In Garbage Out: GIGO (ギーゴ)」といいます。

つまりは、生かすも殺すもユーザー次第です。それではどのような指示を心がければ良いのでしょうか。

答えは簡単で、「人とのコミュニケーションで重要なポイントをおさえる」ということです。

Copilotは、大量のデータを読み込んでいますが、そのデータは誰が作り出したかというと、人間です。AIの学習元は人間の言葉で、AIは学習したそれを真似しようとしているのですから、我々がAIに頼み事をするときには人に頼みごとをするときのようにやるべきなのです。

つまり、良い回答を引き出すには良いコミュニケーションを心がける必要があるということです。具体的にどのようなポイントがあるかを見ていきます。本サイトでは全部で7つ掲載しています。

7つの原則

1点目は、「具体的に指示をする」ということです。

人間相手でも何をして欲しいか?ということが具体的であればあるほど、相手の対応も自分の理想に近づくと思います。それと同じです。例えば、花粉症についての記事を書く際に、「花粉症の記事を書いて。」というだけではなく、治療法に関する記事をタイトルや見出し、文字数も定義した上で依頼することで、より解像度の高い回答を得ることができます。

2点目は、「目的を伝える」ということです。

こちらも同様で、例えば部下に指示を行う際に、目的とともにタスクを依頼すると、なぜこのタスクをしなければならないのか?ということを理解してもらえ、それに紐づくタスクの質も自然と高まっていきますよね。ここでは例として、Facebookでの広告文について考えてもらうという指示をするとします。その際に「広告文を考えて。」ということだけではなく、「クリック率が最大となる」という目的を記載するとより精度の高い回答を得ることができます。

3点目は、「1回につき1つの指示をする」ということです。

他のポイントと同じですが、例えば、人に1度に1つお願いする際と複数お願いするのでは、複数お願いする方が質は下がりますよね。Copilotでも同じことがいえます。欲張らず、1チャット1つのお願いということを徹底してください。

4点目は、「論理的に指示をする」ということです。

例えば、文章内で「専門家に向けて書いてください。」ということと、「中学生でもわかるように書いてください。」を併記してお願いするのは、矛盾が生じているため、NGです。このように、指示に一貫性がないとCopilotも回答に困り、質が低下してしまいます。

残り3点です。

5点目は、「数字で指示する」ということです。

例えば、「広告文を大量に考えてください。」というよりも、「広告文を100個考えてください。」という方が、期待した回答量を得られる可能性が高まります。

6点目は、「敬語で指示する」ということです。

これは恐らくですが、敬語の文章が世の中に多いことから、敬語で質問した方が、回答の質が上がるといわれています。

最後の7点目は、「何を指示すべきかCopilotに聞く」です。

これまで説明した原則を1つずつ踏まえて指示を行うのはもちろん理想ですが、中々毎回網羅するのは難しいと思います。そういう場合は、Copilotに「どのような情報が欲しいですか。」と聞いてみましょう。そうすれば、回答に必要な情報を羅列してもらえます。

このような原則を踏まえることで、Copilotは本来持っている機能を十分に発揮することができます。

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